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カテゴリ:尼崎脱線事故( 2 )

職人の気概は引き継がれないのか。


「日勤」でうまくなるはずない…運転名人が指摘 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
兵庫県尼崎市で起きたJR福知山線の脱線事故では、運転士の教育体制も問題として浮上しているが、JRは旧国鉄時代から「世界一」の正確さを誇り、それを支えてきたのは高度な技量を持つ運転士たちだった。

 東海道新幹線の一番列車や昭和天皇の特別列車を運転し、“名人”として名を馳(は)せた元運転士、大石和太郎さん(72)は、「事故の最大の理由は、運転士の教育方法にあるのではないか」と指摘する。

 「停止位置は1センチ以内、到着時刻は5秒以内」――。新幹線の特別列車の運転で、30代半ばだった大石さんに課せられた許容範囲だった。数十メートルオーバーランし、1分以上も遅れていた尼崎の事故車両とは別世界のような数字だ。しかも、「特別な列車でなくても、普段からみなさんその程度の誤差で運転していた」というから驚く。

 現在と比べ、ブレーキやモーターの性能が大きく劣っていた時代。途方もない運転技術を生んだのは、“お師匠さん”と呼ばれる指導運転士による4か月間の徹底的な指導だった。

 登用試験も厳しかった。速度計に覆いをかけ、線路と砂利の流れで速度を推定しながら運転し、指示速度から時速1キロでも狂うと減点。車内に将棋の駒のようなブロックを立て、荒いブレーキ操作で倒れたら、これも即減点だ。

 JR西日本によると、現在でも運転士になるための技能講習は4か月間程度かけている。指導運転士と一緒の電車に乗り込んで教わるのもほぼ同じだ。航空パイロット養成に使われるようなシミュレーターも導入されるなど、訓練環境は近代化されている。

 その一方で、国鉄の分割民営化後、新規採用が一時見合わされたため、30歳代の運転士がほとんどおらず、先輩から若手への「技能伝授」が不足気味だという指摘が、現役運転士の間でも上がっている。

 「ぼくの場合は40年以上も前の話ですから」。大石さんはそう前置きしながら、「師匠には『(停止位置を)飛び出すくらいでなければうまくならない。見習いは飛び出すのが仕事だ』と言われるおおらかな雰囲気だった。今はミスに非常に厳しく、十分な自信が持てないまま、過密ダイヤの持ち場を任されたのではないか」

 また大石さんが特に違和感を覚えるのは、JR西日本でミスを起こした運転士に課された「日勤」教育だ。「厳しいペナルティーを課せば心理的に追い詰められる。トイレ掃除や感想文で運転がうまくなるはずもない」と疑問を呈する。

***
 今回の事故では、まるで定時運転そのものが元凶かのようにも言われているが、大石さんは「本来、定時運転は一番安全なはずだ」と反発する。

 事故後の今月1日、著書「定刻発車 日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?」が文庫化(新潮社)された経済・経営ライターの三戸祐子さんも「鉄道システムは、定時運転をしている時が最もシンプルで安全」と同意見だ。
 欧米に比べて駅や線路などの設備に余裕がない日本で輸送量を増強するには、スピードアップしてピストン輸送するしかない。それでも安全に走り続けるためには、事前のダイヤ作りや遅れを取り戻すプロセスに秒単位の緻密(ちみつ)さが求められ、世界でも例を見ない正確な運行が生まれたのだという。
*** (下線・***は管理人による)

「巨大システムにおける大事故の原因は常に複合的だ。事故の背後にあったいくつもの原因を詳細に検討する必要がある」と三戸さんは話す。

(2005年5月21日14時38分 読売新聞)


1ヶ月すぎて、立ち往生していた別の車両も移動し、連日のJRバッシング報道も沈静化した。
この記事は往年の名運転士にインタビューしたものだが、技術を伝える仕組みがきちんと確立されていたことに昔の「技術」というものに対する誇りが感じられる。
電車がすきだけではどうにもならない。
今朝のウェークアップでレポーターが言っていたように、800人近い乗客はジャンボジェットだって乗せていないのだ。
それだけの人命に対する責任を感じていたのだろうか。
「日勤」などより恐ろしいことがあることを想像する余裕も無かったのか。
それは職場の体質のせいなのか、本人の資質なのか。
両方なんだろう。
すさまじいばかりだったバッシングはJRの身から出たさびであることは間違いないが、しかし、事故を起こした当人である高見隆二郎運転士(享年23才)の責も当然問われるべきであるのだ。

話は変わるが、この記事で興味深い部分がある。***ではさんだところがそうだ。
定時運転は一番安全。。。
そうなんだろうな。
狭く、余裕のないところにいかにしてうまく収まるように苦心した結果が世界一緻密なダイヤ。
そして、狭いところに無理やり突っ込んでいるのが現在のダイヤではないのか。
その二つは似て異なるものだ。
昔だって、利益は大事だったろうに、なんでこうなってしまったんだろう。

「人」の質がそんなに違ってしまったのだろうか。
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by green_ice_0331 | 2005-05-21 16:22 | 尼崎脱線事故
兵庫・尼崎で電車脱線事故
脱線し、マンションに激突したJR福知山線の快速電車の車両。市消防本部によると、男性12人、女性6人の計18人が死亡、負傷者は270人を超えた(25日午前、兵庫県尼崎市)(時事通信社)12時56分更新



実は今、5月21日。一ヶ月過ぎようとしている。事故当時からのことをすこしまとめて書いておきたいと思った。
過去にさかのぼって書くのもなんだけれど、当時はお昼を食べていて、ニュース映像を見てびっくりしたが、死者は16名だった。

その後、どんどん増えていって100名を超えてしまった。

一両目はマンションの駐車場の中に突っ込み、映像で見えているのは平たくつぶれた二両目だった。

若い運転士が事故直前に8mオーバーラン(その後40mであったことが発覚)したことで動揺し、遅れを取り戻そうとしたあげくの事故だと報道されていた。
母がこの運転士にひどく同情していたが、脱線するほどスピードを出す運転士が私には信じられなかったし、怒りさえ感じたものだ。大勢の乗客を乗せていることを感じさせない行動と思ったのだ。

もっとも、JRは置石の可能性があるなどとコメントしていたのだが。

オーバーランの報告が運転士と車掌の口裏あわせでいいかげんだったことや、同乗していたJR西日本の運転士2名が救助もせず上司の指示で出勤したこと、また、事故直後に別管区の職員たち40名ほどがボーリング大会を催していたことなどなど、目も当てられない不謹慎さが暴露され、社長に最大級の罵声が浴びせられた。
自然、マスコミはヒステリックになり、連日報道される記者会見は取材ではなく糾弾の場になり、さすがに世間の顰蹙をかった。ただただうなだれるJRに被害者に代弁者であるかのように振舞う記者たちが、うすっぺらい正義感を振り回しているように見えたのだ。なかでも、もっとも目立った記者が読売新聞所属であることがわかり、読売新聞は謝罪記事を出す始末。

また、遺族やマンション住人がマスコミにさらされ、言いたいことを言った人たちが逆に非難されるということまで起きた。

平凡な生活から一気に尋常ならざる状況に追い込まれた人々が取り乱し、その原因を作った相手に食って掛かるのは当たり前だ。
それを見苦しいと思うのは勝手だが、わざわざ電話かけて嫌がらせをする輩がいる。

線路の置石や自転車放置の事件があいついで起こっているのは何を象徴しているのだろう。
多くは子供や若いやつの仕業だ。
どうなるか見たかったそうだ。十分見ただろうに。自分の手で起こしたかったんだな。どういう感情が欠落すればこういう行動をするんだろう。


献花台の花が1万を超えたそうだ。献花台ひとつ作るのにも一騒ぎあり、JRに「台を作れよ!!」という男性にマスコミが群がっていた。

変な話だが、私はかねてから生ものである花を誰がどう処理するのか気になっていた。(多くは周辺住民だったりするし、だったらこれも考え物だな、と)
JRは担当の職員がいて、近くの神社にトラックで運び、お炊き上げをしてもらっている、という記事をみてずいぶんほっとした。

騒ぎの裏で汗をかき、涙をこらえて働いている人々だっているんだ。

そういうところももっと報道してやれよ、と思う。そんなことしたらJRの肩を持つのかと批判されるからしないんだろうが、不公平だ。
事実ってひとの好き嫌いで存在するわけじゃなし。
裏と表を交互に報道してこそ、マスコミの存在価値があるってものじゃないんだろうか。

なにもかも一緒くたになってヒステリー起こして、大騒ぎしている。
どっしり構えて現実に向き合っている姿はどこにも見えない。
それがすごく不安だ。
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by green_ice_0331 | 2005-04-25 16:45 | 尼崎脱線事故